【第5回】銀行に預けっぱなしは危険?お金が減ってしまう「インフレ」の罠

第4回では、予期せぬトラブルへの備えや、未来の選択肢を増やすために「お金を貯めること」の大切さについてお話ししました。
「よし、それなら銀行の口座に毎月しっかり貯金していこう!」 そう思った方も多いはずです。たしかに、手元に現金を残していくことは非常に重要です。
しかし、「銀行に預けてさえいれば絶対に安心!」と思い込んでいるとしたら、少し注意が必要です。実は、ただ銀行に預けっぱなしにしていると、知らず知らずのうちにあなたのお金は減ってしまうかもしれないのです。
昔と同じ金額で、同じものが買えなくなる?

「銀行からお金を引き出していないのに、勝手にお金が減るなんてあり得ないでしょ?」と思いますよね。これを理解するために、少し最近の買い物を思い出してみてください。
たとえば、毎日の生活に欠かせない食料品や、日用品。そして、子育て中であれば毎日使うおむつや粉ミルクなど。 「数年前は1,000円でお釣りがきていたのに、今は1,200円出さないと買えなくなっている…」 スーパーやドラッグストアで、そんな値上がりを実感する機会が増えていませんか?
このように、世の中のモノやサービスの値段が全体的に上がっていくことを「インフレーション(インフレ)」と呼びます。
「モノの値段が上がる」=「お金の価値が下がる」

インフレが起きると、私たちの持っているお金にどんな影響があるのでしょうか。 わかりやすく「1万円」で考えてみましょう。
- 昔: 1パック1,000円のおむつが、1万円で「10パック」買えた
- 今: おむつが値上がりして1,250円になり、1万円で「8パック」しか買えなくなった
通帳に記帳されている「10,000円」という数字自体は、引き出さない限り減ることはありません。 しかし、その1万円で「交換できるもの(価値)」は、確実に目減りしています。
つまり、モノの値段が上がるということは、お金の価値が下がるということと全く同じ意味なのです。これが「インフレの罠」です。
銀行の利息ではインフレのスピードに勝てない

「でも、銀行に預けておけば利息がついて少しずつ増えるでしょ?」と思うかもしれません。
たしかに何十年も昔は、銀行にお金を預けておくだけでどんどん増える時代もありました。しかし、今の一般的な銀行の金利はほんのわずか(例えば0.02%など)です。100万円を1年間預けても、増えるのはたったの200円程度。
一方で、モノの値段は毎年2%や3%といったスピードで上がっていく可能性があります。 銀行で「お金が増えるスピード」よりも、世の中の「モノの値段が上がるスピード」の方が圧倒的に早いため、ただ預けているだけではお金の価値を守りきれないのです。
第5回のまとめ
- 世の中のモノの値段が上がることを「インフレ」と呼ぶ。
- モノの値段が上がると、同じ金額で買える量が減る(=お金の価値が下がる)。
- 今の銀行の金利では、インフレによる「お金の価値の目減り」を防ぐことは難しい。
手元にある程度の「貯金」を持っておくことは、心のゆとりのお守りとして絶対に必要です。 しかし、それ以上のまとまったお金を、ずっと銀行に眠らせておくのは少しもったいない(危険な)ことだとお分かりいただけたでしょうか。
では、せっかく貯めたお金の「価値」を守り、インフレに負けないようにするにはどうすればいいのでしょうか?
ここでついに、お金に働いてもらう「投資」という選択肢が登場します。 次回は、「投資ってなんかギャンブルみたいで怖い…」という初心者の方に向けて、投資の本当の仕組みについて優しく解説していきます!

